主な症状

強迫症は繰り返す不条理な考え(強迫観念)とそれを打ち消すために確認行動をとる(強迫行為)によって生活に支障をきたす病気です。強迫観念は①排泄物や汚れが気になる、②出かけるときにガスの元栓を締めたか、鍵を閉めたか、運転中にどこかにぶつけていか、③誰かを傷つけてしまわないか、おかしなことを言わなかったか、④対象のものが左右きっちり合っているか、といったことが過剰に気になって生活や仕事に支障が出てしまいます。さらに強迫行為は、このような強迫観念による不安を打ち消すために何度も手を洗う、元栓や戸締まりを確認する、自分がおかしくないかを他人に何度も確認するなどの確認行動に過剰に時間を費やしてしまいます。患者さんはこれらについて不条理でやめたいと考えていますが、不安でやめることができません。このような状態が長引くと、患者さんは疲れてしまい、自分自信が嫌になって抑うつ状態を合併することがあったり、段々と不条理さを感じられなくなってまわりの家族にも確認することを要求するようになったりします。症状が重くなると、汚れが気になって外出することが出来ないなどしてひきこもり状態となることや、うつ病やパーソナリティ障害を合併することがあります。このような状態となると治療しても治りにくくなってしまうため、早期発見・治療をおこなうことが大切です。

治療方針

強迫症の治療は抗うつ薬による薬物療法と、行動療法や認知行動療法が中心となります。抗うつ薬は選択的セロトニン再取り込み阻害薬や三環系抗うつ薬などを十分量、十分期間服薬することで、強迫症状の軽減を図ります。またベンゾジアゼピン系抗不安薬で不安の軽減を一時的に補助することや、なかなか症状がよくならないときには適応外の使用となりますが抗精神病薬を補助的に用いることがあります。さらに薬物療法に加えて行動療法では、不安階層表によって患者さんの強迫症状が出る状況を重症度ごとに整理し、程度の軽い状況に少しずつ暴露して強迫行動をおこなわないように耐える練習をして症状の軽減を図ります。また、強迫観念についての患者さんの捉え方を少しずつ変えていき強迫行動を軽減していきます。